仕事としての初めての映像制作!動画広告!クライアントとしてがんばる!編 scene7 お金の話ですね、はい_CUT2
の、続き。
ケーススタディです。NHKの外国語番組みたいな感じです。
映像のことよくわからないのに、なんか動画つくれって言われた人たちの物語。
登場人物
田戸江 純(28)「たとえじゅん」会社員
岡見夢菜(30)田戸江の先輩
野本英雄(35)田戸江と夢菜の上司
映像制作会社に来た、田戸江純と岡見夢菜と野本英雄。
打ち合わせを初めてヤーマンのくだりが落ち着いて、
お金の話をしようと、切り出そうと、そこしか、そこだけが気になる野本部長と、
関係ないね。って柴田恭兵みたいな空気感を出している田戸江と、
まじめなふりしてこのあとどこでピザ食べようかしか考えていない夢菜。
◯映像制作会社・はしっこのテーブル
缶ビールを飲んでる野本、田戸江、夢菜。
野本「すいませんね、僕たち困ったことにまったく酔わないんですよ」
夢菜「酔えと言われれば酔えますよ、仕事ですか?」
田戸江「うちも、来客用にビール冷蔵庫に準備しておいたほうがいいんじゃないですか」
夢菜「ピザとります?」
野本「自腹な」
夢菜「え、じょうだんですうー」
田戸江「悪酔いしそうですけど、お金の話しなきゃですよ部長プレゼンテッドバイ野本」
野本「案外ただの呼び捨てだからね、気をつけろよ」
夢菜「じゃあ野本部長は給料いくらなんですか」
野本「え、本気で意味わからない」
夢菜「ざっくばらんに」
田戸江「ざっくばらんに」
野本「違う違う。さらけ出す部分違う」
田戸江「変態」
野本「田戸江も進む方向違う」
田戸江「パワハラ!」
夢菜「ハラつければいいと思ってんじゃねーぞ小僧!」
田戸江「はい」
夢菜「ごめん酔っちゃったしね」
田戸江「帰ってもいいですか」
野本「まてまてまて。よく、うん。よく今疑問系で踏みとどまれたよ。成長したな。ちょっと前の田戸江なら、帰ってもいいですか。じゃなくて、帰りますウケる。だったよなすごい成長だよ」
田戸江「褒められて伸びるタイプなんで、そこのシカバネ夢菜と違って」
夢菜「まあ一回は流しとくよ人様の会社だから」
田戸江「欲求不満」
夢菜「帰ります」
野本「ちょちょちょ。いや、ほんと岡見さんも成長したよ、先月の岡見さんだった冷蔵庫に並んでた缶ビール全部田戸江に投げつけてたよね。田戸江の命より大切なスマホとか冷蔵庫の上の電子レンジに投げ入れてチン!してたよね」
田戸江「まじ埋めますよ」
夢菜「素人童貞」
田戸江「興味ないだけなんで同じ欲求不満の猿だと思わないでくださいここで発情しないでくださいねカメラ持ってる男にウケる」
野本「ほら、今日は敵はさ、お互いじゃないからさ」
夢菜「え、別に眼中にないですようちの万年新人君、例えていうなら、使えない田戸江。ウケる」
田戸江「あー。地雷ふんじゃいましたね」
夢菜「ロンバケのキムタクみたいな感じで言わないで。けがさないでそのささくれみたいな声で」
田戸江「うぇーー」
野本「え、なんで急にそんな弱くなるの?張り合ってたじゃん」
田戸江「田戸江の例えー。って小学生時代にいじめられて、まちがえた小学生から高校二年まで。あ、高校時代はみんな悪意のないオチョクリだったんですけど、僕もこどもでした、ふふ」
野本「うん。心が叫びたがってるな」
夢菜「ピザ頼みます?」
野本「いいですかね。ピザ頼んでも、食べたら帰りますから」
夢菜「野本先輩ごちそうさまです」
野本「うん。でも今日は3枚ね」
田戸江「僕今日デートなんでいらないです」
野本「うん。予算的にも岡見さん二枚でいいね」
夢菜「ピザの予算ケチっていい映像が作れると思ってるんですか」
田戸江「映像はどんと行きましょうよ!」
野本「おお。大きな声出せるんだな、田戸江! 成長だ!」
田戸江「褒められてレベルアップするんで」
夢菜「あたしだって褒められたい」
田戸江「お金払ってそういう男雇えばいいじゃないですか男と縁がないんだから」
夢菜「うぇーーー」
野本「な、ピザ、ピザ五枚!いや、今日も10枚!」
田戸江「映像もフルスペックで、がんがんいきましょう、ね」
野本「ああ。もうどーんっと、一番大事な取引先なんだそんなケチケチしたものつくれないから、どんと。いきましょうね!」
夢菜「あ、先に見積書っていただけます?」
野本「堅実」
田戸江「そういうところリスペクト」
つづく。