仕事としての初めての映像制作!動画広告!クライアントとしてがんばる!編 scene6 さっそく映像制作会社と打ち合わせ_パート2
の、続きです。
打ち合わせは大事です。なのでパート2です。
とにかく、漠然としてていいので、たくさんの言葉で伝えましょう。
言葉はたくさん必要です。その言葉が、バラバラな言葉が設計図です。
道標です。
作品のDNAです。
いっぱいいっぱい喋ってください。その言葉の断片、
コードの断片が、名作因子なんです。
◯映像制作会社・応接室というなのはしっこのテーブル
缶コーヒーを飲んでいる、田戸江、夢菜、野本。
夢菜「もっと下品なポスターとか、どこ出身ですか?っていう観葉植物とかあると思ったんだけど」
田戸江「ネスカフェアンバサダーかと思ってたら缶コーヒーですよ、しかもやっぱりブラック」
野本「さっきからBGMから『ヤーマン』しか聞こえないんだけどそれはなにかの合図かな。案外普通の雑居ビルだったから、部屋入ったらあとから女の子入ってくるかと思ったよ」
夢菜「しぬ」
田戸江「えー、そんな偶然の出会い最高じゃないっすか」
野本「ナイス、ヤーマン」
夢菜「あ、きた」
野本「はじめまして! このたびはよろしくお願いいたします!」
各々挨拶。
田戸江「すいません、名刺忘れたんですけど、窓口は野本が担当するので、ちなみに会社では部長って呼ばれてます野本」
夢菜「えっと、やりたいこと……野本さん、原稿準備してきましたよね?」
野本「だよな? 田戸江」
田戸江「はい、クラウドであげときましたけど」
タブレットを出す、田戸江。
野本「……じゃあまず田戸江」
田戸江「先頭とかきついっす。野本先輩、よろしくお願いします。激しくダンシングしちゃってください、よ、トラボルタ」
野本「お、サタデーナイトフィーバーみてくれたの?」
田戸江「ググりました」
夢菜「あたしたちは、まず、あたしたちの映像じゃなくてあたしたちの非常に関係性の濃いクライアント様からの依頼でして、そちら、現場システムズ様なんですけどご存知ですか? ほとんど一般の方とは接点ない会社なんですけど、日曜日の夕方とかCM流してるんですよ、野本さん、ね」
田戸江「歌って部長」
野本「おいおい、迷惑になるだろ、ヤーマンの間に俺の歌声って」
夢菜「そこは調整してください」
田戸江「野本さんて調整下手ですよね、体重とかうける」
野本「だれが部長みたいな体型だこのボケ!」
夢菜「ヤーマン!」
野本「……申し訳ない。ではCMソングをここで」
夢菜「もういいですよ」
田戸江「いや、やりましょうよ、みんな見てますよ」
野本「最終決定権は俺にある!」
夢菜「お、今のちょっとかっこいい」
田戸江「あー」
夢菜「田戸江、その『あー』は、あたしのどの時間にかかったあーなの?まさかあたしのプライベートな時間にかけたあーじゃないよね? あー、岡見さんて男の人になんでも決めてもらうのが好きなんだ、プライベートでは仕事では偉そうなのに。あー。ってこと?そんなあたしに、あー。したの?」
田戸江「僕この缶コーヒー好きなんですよ、うまいですよね」
夢菜「しね!」
野本「ヤーマン! ヤーマン!」
田戸江「それでは野本部長による、現場システムズ様CMソングです、どうぞ!」
野本「現場システム、現場システム、つくるをつくる、せーの、クルクル!」
田戸江「つくるをつくる、せーの、クルクル!」
野本「お。田戸江ってそんなに大きな声でしゃべれるんだな」
田戸江「野本部長としゃべることないから、声小さいだけですよ」
野本「……ぐっとくるな、お前のコメントって」
夢菜「そんな感動するような動画、つくってもらいましょう」
田戸江「夢菜さん、あ、下の名前で呼んじゃったやべ」
夢菜「変な空気を含んだコメントしないで!」
野本「え、なに」
夢菜「なんもないですよ?ねえ?」
田戸江「はい、裏でみんな夢菜って言ってるだけです」
夢菜「そっちの方を今は隠して欲しかったな」
田戸江「なんか、夢って書いて菜っ葉のな菜って素敵じゃないですか」
夢菜「ヤーマン!」
田戸江「しかも、岡見って、お上みたいな」
夢菜「ヤーマン!」
野本「田戸江、な。きっと一回飲みに行って岡見さんと、それで、なんか親しくなったんだよな?な?夢菜さんて。でも、さんはつけような、外だしな」
田戸江「え、ぜんぜ……」
夢菜「ヤーマン!!」
野本「なので、現場システムズ様、45周年なんですけれども、そこの式典、記念式典ですね、そこのオープニングを盛り上げるような。煽るような映像をつくってください!」
つづく